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ホテルカリフォルニア -私戯曲 県立厚木高校物語-(ネタバレあり)

劇団扉座第72回公演 扉座40周年記念公演 

紀伊國屋ホール

12月18日昼夜観劇


作・演出:横内謙介

キャスト:

横山:有馬自由

ハッパ:砂田桃子

シュウケイ:犬飼淳治

岡本:岡森 諦

宮城次郎:六角精児

張ヶ谷:高木トモユキ

関水:鈴木利典

ナオさん:中原三千代

日根:塩屋愛実

堀江:鈴木崇乃

ミナトヤ:山中崇史

橋田先生(体育科):松原海児

鈴木先生(担任、化学科、演劇部顧問兼任):累央

まり子先生:藤田直美

滝川先輩:早川佳祐

団長 伝兵衛:新原 武

リーゼント/横山 母/ チリチリ: 伴 美奈子

ガリ勉さん:三好記者

ジョー:上原健太

リンダ:江原由夏

ナンシー:藤田直美

アーヤ:小笠原 彩

演出助手リエ:鈴木里沙/小笠原 彩

蓮見:菊地 歩

野崎:佐々木このみ

黒江:大川亜耶

ガリ勉君:三浦修平

団部の矢島:小川 蓮

近藤先輩:横内謙介

塩尻先輩:野田翔太

バカ垣戸:紺崎真紀

ガリ勉高山:翁長志樹

厚高生、その他:白金翔太、山川大貴、北村由海



良かった!

あちこちで吹き出しながら泣かされた。

もっと観たかった。


初演は1997年。私が観たのは1999年の再演。多分、初めて観た扉座。

あの頃、有馬さんはもちろん、横内さんも岡森さんも学生服姿にさして違和感はなかった(気がする 笑)

22年経った今、また皆様(横内さん、岡森さんは還暦・・・)が学生服に身を包んで舞台に立ち、すんなり観ることが出来てしまう。

うん、舞台は魔法だ 笑


古き伝統も残っている進学校のしらけ世代、表面上は誰もが熱くなることをあざ笑い、正論を茶化し、学歴重視で教師すらバカにする。


そんな中でも熱くなれるモノはあるし、友情もある。おバカな喧嘩もすれば淡い恋もある。そして挫折もするし、すれ違いもある。

ある程度展開を知っているので、他愛のないシーンでも涙が出そうになってしまい困った。


前回の時は「ホテル・カリフォルニア」の意味するものを素通りしてしまっていたのだが、今回は張ヶ谷さんの台詞が耳に残って、この舞台にこのタイトル、なるほどなぁと切なくなると共に感心していた。(この歌は、60年代にあった純粋無垢な理想の終焉を歌っていると言うような背景があるらしい。今、手元に購入した台本がないのでネット調べ😅)


先輩のおかげで演劇と言うハマるものに出会い(熱海殺人事件の木村伝兵衛部長刑事を演じてた新原さん、カッコよかった!)、さらに才能にも恵まれて突き進むことが出来た横山君(と岡本君)、我が道を行く宮城君、ミナトヤ君、生徒会で真っ直ぐに頑張るハッパさん、それまでの自分を変えようと文化祭実行係に加わるシュウケイ君。革命を目指すも、何者でもない自分の無力さを思い知らされ、東大を目指す張ヶ谷君。


他の皆様も、誰もがそれぞれに悩みつつも瑞々しく生きる高校生そのもの。

年齢など鮮やかに飛び越えていて(あ、累央さんはご年配な先生役もお似合いでしたし、伴さんは東大大好きなお母さんもお似合いでした 笑)、役者さんってやはりオソロシヤ😅

観ていて、懐かしさやこそばゆさ、切なさ、虚しさ、様々な想いが湧き上がってきてすっかり引き込まれてしまった。


一所懸命に普及活動をする宮城君達(六角さん、ホントに大変そうだった😅)を嘲笑っていた生徒達の中から参加者が増えていき、文化祭の後夜祭で皆がジンギスカンを踊り出すシーンは今思い出しても涙が出そうになる。


そして、シュウケイさんの「話そうぜ!」が皆の同意を得られないシーン、もう堪らなかった。シュウケイ:犬飼さんのとても晴れやかな表情がスッと消えていくのがイタくてイタくて・・・

他の皆にとっては多くの機会の中の一つ、たまたま都合が悪いだけ。でも、シュウケイさんにとってはやっと掴んだ仲間と機会。卒業式のエピソードも鳩尾辺りがヒュッとした。多くを持つ人には想像出来ないダメージにもなろう。


東大に合格した張ヶ谷さんのシーンもやはり切ない。

東大に合格して、張り出される合格者一覧を塗り潰してやる!と言っていた彼が、その一覧に載る自分の名前に大喜びして横山君に散々自慢した後に「釈放だ・・・」と呟いて去っていく。


20歳で自ら命を断ったシュウケイさんに語りかける現在の横山さんは舞台の演出をしている。

横山君(横内さん)にとって繰り返し繰り返し立ち戻る原点、なのかなと思う。

そういう原点があり、それを当時から共有する仲間がいらっしゃる横内さんってすごい奇跡を体現されてると思う。

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