花組芝居
あうるすぽっと
11月26日夜、12月5日昼他 観劇
原作:紫式部
脚本・演出:加納幸和
【演奏】
ピアノ/芹田直彦
ドラム/長倉徹
ベース/山口じゅん
【キャスト】
光源氏:小林大介
桐壺院:桂憲一
藤壺:大井靖彦
東宮:押田健史
六条御息所:谷山知宏
斎宮:秋葉陽司
朝顔 :永澤洋
左大臣:原川浩明
大宮:秋葉陽司
葵の上:北沢洋
照日の巫女:丸川敬之
紫の君:武市佳久
少納言:横道毅
三位中将:押田健史
源典侍:磯村智彦
右大臣:秋葉陽司
弘徽殿大后:山下禎啓
朧月夜:押田健史
生霊:加納幸和
衣装はほとんど皆同じで、歌って踊る花組芝居仕様の源氏物語。
面白かった!
実は、初日はまだお歌が不安定な方も多くて、聞いてる自分が勝手に緊張してしまい、正直、十分楽しめたとは言い難かったのだが😅、次の日にはもうかなり落ち着いて、そうなると本来の面白さがぐいぐい迫ってきて引き込まれ、何度も観たくなる面白さだった。
初演(Ⅰ)は第一帖の桐壺、今回(Ⅱ)は第九帖の葵。
桐壺の時は、皆、真っ白な洋装だったが、今回は基本的に黄色と黒の裃、光の君だけピンクの着物に水色の袴(岩下の新生姜と言われたそうな😅)。
それに薄衣や打ち掛け、セーラー服?を羽織るくらいで、全員が年齢、性別を軽やかに飛び回る。
そりゃ、観客の想像力も必要だし、私はそれに慣らされ過ぎてるところもあるので😅、初見の人がどう感じるかはわからないけれど、今回誘ってみた初見の2人はどちらもとても楽しんでくれたようだった。
(なお、生霊の加納さんはしっかりした拵えのお着物姿。これは観客へのプレゼントみたいなものでしょう 笑)
お歌はシャンソマニアなので元ネタはシャンソンが多いのだろうが、宝塚のようだったり、ムード歌謡のようだったり(私は歌のジャンルがよくわからないので適当だけど😅)
踊りは、扇を巧みに操る和風の踊りからミュージカルやバレエのようなダンスまで、どれも見応えがあった。
台詞は原文に近いものも多くて、私はしっかり理解出来たとは言えない。
でも、その台詞を鮮やかに自然に生きた言葉にする役者さん達、デフォルメされた仕草や歌や踊りになっていても伝わってくる想いにゾクゾクした。
そして巧妙に混ざってくる口語や今どきの言葉、ちょっとしたアドリブ。口にする役者さんの仕草、表情も相まって、ずるいくらいに効果的にこちらの気持ちを引っ張ってきた。
皆様、上手いよなぁ。
どの役者さんにもそれぞれに見せ場があって、皆様、素敵だった。
まず板付で登場する丸川さん、今回、いや、もうカッコいい、カッコいい。
ストーリーテラーを兼ねる照日の巫女、場の取り回し、絶妙な間合いの突っ込みその他に惚れ惚れした 笑
弓の弦叩きながらお祓いしているシーンも妙に可笑しくて、谷山さんの六条御息所との掛け合いもとても良かった(「すり足でどこ行くの?怖いよ!」とか谷山さんの所作も見事なので可笑しくて仕方なかった)。
そして歌! 生演奏を背負って、いや、もう・・・ねぇ。ライヴやるか、CD作って欲しいです。
そして谷山さん、六条御息所。こちらも素敵だった〜!
高貴で健気で切なくて、斎宮じゃないけど「なんであんな人を好きになったかな、これほどの人が😓」と思ってしまう。
「私は大丈夫。」と歌い踊るダンスが素敵過ぎて、あのシーンの動画は無理でも写真が欲しい!
それから、光の君と三位中将に取合いされる女人の時がものすごく美女! ただの裃姿なのに、何だろ、この人?と思ってしまった 笑
千穐楽は機材トラブルで、六条御息所の想いが高じ過ぎて生霊化する辺りの見事なシーンを2度観ることが出来た(谷ちゃんには申し訳なかったけれど、トラブルにもブレない姿、カッコよかった)。
この調子で書いてるとえらく長くなるな😅
でもDVDは出ないとのことなので、自らの備忘録として書こう。
別な意味で、何だろ、この人?な光源氏、大介さん 笑
いや、演じている大介さんは素敵です。
何だろ?なのは光の君 😅
あんなしょーもない光の君、初めて観たかも 笑
いや、それでもカッコいいのだろうと思えるのがすごいのだが、才にも美貌にも恵まれてるくせに立場的に少し不遇でちょこっと拗れたマザコンのお坊ちゃまが暇つぶしに女性達を破滅させてるみたい・・・と書いていて、大介さん、トリゴーリンもやってたな、と思う 笑
朗々と歌い上げるシーンもあって、日毎に素敵になって感動してた。
でも、朝顔とのデュエットはどうしても吹き出しながら、バックダンサーの桂さん&大井さんを観てました、すみません 笑
なお、この公演前に大介さん、ご結婚されたそうで、その記念ブロマイド?が物販にあった。
おめでとうございます。
朝顔、永澤さん。
小悪魔的な女形が板についてきたと言うか何と言うか、可愛い 笑
紫の君を口説こうとしているはずの大介光の君がやたらと洋君にちょっかいを出してて、楽日のカーテンコールで武市紫の君が「もっと僕も見て!」とねだってた 笑
その紫の君、武市さん。
今回、とても可愛くてお歌も良くて印象的だった。一人、現代っ子な感じの紫の君、幼少時はお兄ちゃんな光の君に無邪気に甘えていて、思春期に入ったら無遠慮に父親を無視する女子高生のような・・・😅
あれでは光の君、洋君の方を向くよ、そりゃ 笑
なんてことを考えて遊ばせてくれる花組の役者さん達 笑
そうだ、現代っ子なのは斎宮もか。秋葉さん。
ドライに母:六条御息所の恋と光の君のポンコツ振りを見定める賢い娘。清く正しく美しく神に仕えて生きる!と歌い上げ、丸川巫女から花束を貰って涙ぐみ、なかなかご挨拶できないのは退団するタカラジェンヌのようなのだが、最後に右腕を突上げ、「我が生涯に一片の悔い無し!」笑
その他に左大臣の肝っ玉母さん的な妻を演じたかと思えば、遣手の右大臣にもなる(でも娘の弘徽殿大后には突き飛ばされる😅)秋葉さんも変幻自在 笑
左大臣は原川さん。
頑固な亭主関白そうに見えて、秋葉妻と仕える女官達(永澤さん、武市さん、大井さん)に押し切られる人の良さが素敵。
あちこちの場面に登場して歌い踊り、時には戦い😅、原川さん、流石です。
今回のタイトルロール?葵の上、北沢さん。
お姫様育ち?でプライドが高くて素直に光の君に甘えられなかったのだろうことが納得出来る、憎めないお姫様。北沢さんの見かけはどう見ても男性なのだが、えらくキュートなのだ、これが。わかっていてもびっくりする 笑
そして、ラスト近くにそれまでの陣形を崩して踊る僅かな時間、思わず二度見するくらい華やかな踊り方をされるので毎回凝視してしまった😅
歌が時々浮かんでしまって困ったのが、源典侍:磯村さん 笑
教養など女官として申し分ないが、年に似合わぬ色好みの女性という役なのだが、何とも言えぬ味があって素敵だった 笑 「報われぬ恋でも無いよりはマシだわ!」と果敢にアタックする姿はむしろ清々しい。
対して、ひたすら真面目な女官、少納言:横道さん。
光の君のお帰りに際して「お帰り遊ばせ!」とご挨拶するシーン、毎回、大介さんが「出迎えかい、御苦労だね。」と仰りそうな気がしてしまって困った 笑 その代わり、表彰状を頂いてましたね。
桐壺院:桂さんと藤壺:大井さんのペアは、もう、出てきた瞬間からニヤけてしまう 笑
弘徽殿大后のことも普通に気にかけている桐壺院を独占しようとする藤壺殿、と言うのはこれまで持ってたイメージと違うが、このお二人がやってるとどちらもどうにも魅力的でついつい頬が緩んでしまう 笑
先に書いた光の君と朝顔とのシーンは、桐壺院夫妻としてではないが男女の痴話喧嘩なダンス、あまりにしっくりしたお二人についつい目が行ってしまうのは同じだった。
大井さんは他では永澤さん、武市さんと三人官女のように出てくることが多くて、それに対して何の違和感もないことにまたしても驚愕!(歳、20歳以上違うよね)
可愛いし、踊りは機敏だし、やはりこの方、何処ぞで人魚の肉を・・・😅
とあるシーンの去り際の言葉が「だめだ、こりゃ」なのがむしろ違和感?笑
さて、大井さんとペアでなくても、出てらっしゃると私はどうしても目で追ってしまう桂さん 笑
藤壺殿を隣に置いて、弘徽殿大后に「何故、来ないの?」となんの屈託もなく声を掛けてしまう天然振り、藤壺殿の誘惑にあっさり負ける素直さ?にドキドキしてしまう 笑
光の君に「男たるもの、関わりを持った女性には等しくあるべきだ。」と言うようなことを朗々と歌い上げてらして(素敵でした)結局、似た者父子よね、と思う😅
女形の時(源氏物語なのでほとんどは女形)は妙に仕草が可愛くてついつい見惚れる 笑
さらに、あるシーンで雪洞持って登場されるとどうしても違う舞台が浮かんでしまって、そのギャップに内心吹き出したり、結局、桂さんは素敵だという所に落ち着くのである。
桐壺院&藤壺の所に東宮として現れる押田さん。これは幼く可愛くて、朧月夜は可憐、そして三位中将は色男なのだろうが、光の君と並んでおバカさんで可笑しかった 笑
山下さん、谷山さん、大介さんの日本舞踊組と一緒に踊るシーンは皆様、所作、体勢がとても美しくてゾクゾクした。
なお、三位中将の登場前に飛行機の音がするのだが、これもまたどうしてもワンダーガーデンの大村子爵が浮かんでしまい、大井さんが出てきそうな気がしてしまった、すみません😓
この方も気位が高くて桐壺帝に素直になれなかったのだろう弘徽殿大后:山下さん。
光源氏憎しの念は怖いが、桐壺院に見せる恥じらいや「パパ、どいて!(邪魔!だっけ?)」と右大臣を突き飛ばす辺りの仕草が可愛くて、こちらも憎めない😅
最後に歌い上げる姿も素敵だった。
最後に生霊、加納さん。
ここだけ色が違う。
本格的に歌舞伎テイストなシャンソン(って何だ?😅)と思って観ていると急に葵の上の首を普通に?締め始めるから油断出来ない 笑
楽日の機材トラブルの間、生霊姿のまま色々お話して下さって、途中からは大介光の君まで加わり、思わぬプレゼントを頂いた気分だった。
ラストは全員で歌い上げて終わったのだが、出来ることなら客席側も一緒に歌いたかった。
いつか、皆で歌っても差し支えのないようになったら、シャンソマニアコンサートをやって頂きたいです。
(ファンの好き勝手な戯れ言ですので、ご容赦)
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