SHELTER(ネタバレあり)
ぽこぽこクラブ vol.7
オメガ東京
11/5夜, 11/15昼他 観劇
作:杉浦一輝 +三上陽永
演出:三上陽永
キャスト:
橘 雅彦(父親):森田ガンツ(猫のホテル/なかないで、毒きのこちゃん)
橘 清美(母親):大沼百合子(J.CLIP)
橘 賢一(長男):渡辺芳博(ぽこぽこクラブ)
橘 千佳子(長女):糸原舞
橘 達治(次男):高橋玄太(ぽこぽこクラブ)
橘 幹雄(三男):近藤茶
橘 有紀乃(次女):菅野恵(Moratorium Pants)
小山田 良(清美の彼氏、お笑い芸人):坂本健(ぽこぽこクラブ)
橘 沙耶香(幹雄の妻):磯部莉菜子(エンバシイ)
宮益 裕太郎(有紀乃の幼馴染)(Wキャスト):杉浦一輝(ぽこぽこクラブ)/三上陽永(ぽこぽこクラブ)
良かった。泣かされた。
同時にかなり苦さも感じた。
思い切り、家族の話。
時は今、まさにコロナ禍での、どこにでも有りそうな家族のすれ違いと再生。
なんてまとめてしまうとなんだか薄っぺらい感じになってしまうけれど、観た人がそれぞれに家族や身近な誰かを思い浮かべてしまうのではないかと思える良いお芝居だった。
役者さんもとても自然に役に溶け込んでいるので、引き込まれて身に詰まされた。
もしかしたら、観た人毎に見えたもの、感じるものが異なるお芝居だったかも知れないとも思う。
同じ言葉を聞いても、受け止め方は人によって違うだろうし、シチュエーションでも違うだろう。
私自身、家族との関わり方があまり上手くない。
自分や実家の家族を思い浮かべてしまい、勝手に重ねたり比較したりして苦い思いをしたのであるが、これは私に見えた風景に過ぎないやね。
感想を書こうと思ってなんか書き難いと感じたのは、結局、自分の家族への考え方がベースになってしまうので、そしてそれがまともであるという自信がないからである(^^;
でも、言葉を作ったくせにそれを上手く使いこなせない人間というのはシェイクスピアの頃からそんなに変わらないのだろう、なんて古典に逃げてみたり 笑
テレパシーという超能力が発想されたのは、やはり人間関係の構築に誰もが苦労しているからなのではと想像したりする。
わかってもらいたい、でも本音を知られたくない。面倒な生き物だ。とSFにも逃げてみる 笑
まあ、書こう。(また、むやみにとりとめなく長い…)
取り立てて悪い所があった訳ではない。
ただ、家族と言う近しい人への関わり方があまり上手くない不器用なお父さんと、その遺伝子をしっかり受け継いでしまった兄弟姉妹が5人もいれば、あんな風にもなるかと思う。
家族であるという油断なのか、あまりに遠慮のない物言い、決めつけに気持ちがざらついたりもした。
そのくせ、ちゃんと反省するやたら素直な所も受け継いでいる。
きっかけさえあればもっと早く修復されていたのでは?と思うとさらに切なくもなる。
それから、意地っ張り、強がりなのは実はお母さん譲りなのでは?と思ったりもする。
お父さんの遺骨が届いた夜、家族の亀裂が一気に表出した際にじっと耐えているお母さんのお顔は観ていると苦しくなったが美しくもあった。
ここにも不器用な人がいる、とも思った。
不器用で意地っ張りだとなかなか人に弱みは見せられまい。
さらに小さい頃からお兄ちゃんで家族皆から信頼されていると言う自負があれば尚更で、だから賢一さんは一人で頑張り続けて折れてしまったのかも、なんて思った。
(もっとも賢一さんがどうしてそうなったかの説明は一切ないので想像が広がり過ぎて妙なところに行きついたりもするのだが、それは後で書く笑)
一方、外から新たな絆を形成して関わってくる3人がそれぞれに直球勝負で、その、橘家とは異なるベクトルのエネルギーがとても輝いていて素敵だった。
それらが橘家の停滞を打ち破る力の一つになっているのも良かった。
良ちゃんのご両親へのご挨拶のシーンはどちらも泣かされた。また、聞いているご家族の困惑した反応が絶妙で可笑しい。
サカモン、今回も純粋で可愛くて素敵だった。
千佳子さんも良ちゃん相手だととても可愛い。糸原さん、甘えた顔と照れ隠しのきつい物言いの対比が素敵だった。
良ちゃんがお父さんの遺骨にご挨拶している時に、お父さん(の霊…のようなもの)は後ろのテーブルに座っているのだが、時々、千佳子さんの表情を見ているのも印象的だった。千佳子さんが本当に望んでいるのかを見極めようとしていたのかな。
森田ガンツさん、絶対良いお父さんだと思うのに、子供への対し方が本当に不器用そうで観ていて苦笑してしまった。
沙耶香さんの真っ直ぐな強さもとても眩しかった。莉菜子さん、あの突拍子のない姿でも成立して見えるから恐ろしい 笑
あの率直さで、お父さんのことがなくても橘実家に乗り込んできて、幹雄さんとのことは結局解決できたのではなかろうかと思える。
どもりながら反論する幹雄さんの姿もすごく自然で、近藤さん、子供の頃も可愛いし、良かった。
仕事が自分の役割だからという言い訳辺りが、お父さんに一番似ているという根拠ではなかろうかと思う。
裕ちゃんはダブルキャストでかなりキャラが異なった。それに応じて有紀乃さんも少し変わるので、両方観て良かった。
一輝さんの裕ちゃんは、内気でおとなしくて誠実な感じ。あのふわっとした優しい雰囲気、一輝さん、はまってた。
有紀乃さんは、裕ちゃんを頼ると言うよりは癒しを求めているように見えて、ちょっとその・・・例えると大好きな大型犬を抱きしめているような感じがしなくもなかった(^^;
だから、実はラスト、東京への就職の話は裕ちゃんに何の相談もせずに決めたように思えてしまい、賢一さんとのやり取りで泣かされている気持ちの片隅で微かに苦味も感じていた。
そういうところが家族のズレを産む要因なのでは・・・と勝手に思ったりしてしまった。
一方、陽永さんの裕ちゃんは、じゃれ合ってやんちゃ小僧な面影はあるけれど、有紀乃さん、根底では裕ちゃんを頼りにして甘えている気がした。
何を言っても受け止めて貰えるという安心感があるからか、有紀乃さん、かなり活発な印象になっていたし。
だから就職の件も東京を受けることは話していて、内定をもらったことをまだ伝えていないだけ、と思えて素直に泣けた。
これだけ異なる裕ちゃん相手にどちらにもとても合っていた菅野さん、素敵だった。
あの背中のシーン、裕ちゃんの方はこれで良かったのかなとちと自問自答しているようなところもあったけれど(真面目なんだね)、ここでの有紀乃さんはとても生き生きとして可愛らしく魅力的だった。
菅野さんが二人の裕ちゃんを「花より男子」の道明寺司と花沢類に例えていたが、私は見たことも読んだこともないのでよくわからない。
(ドラマで松本潤さんと小栗旬さんがやってたのはかろうじて知っている)
では私が例えるなら何だろ?と思った時に浮かんだのが「花咲ける青少年」の倣立人(ファン・リーレン)とムスターファ(ユージィンではない方)笑
初日の一輝さんの印象は、ハイジのヨーゼフとか名犬ジョリィだったりしたのだが(すみません(^^;)、楽日を見たらやはりムスターファかなと思った。(やはり意味不明だな、すみません 笑)
あくまでも個人の感想ですので、悪しからず~。
個人的には陽永さんのツンデレな裕ちゃんがかなりツボで、観ていてクラクラしてしまった。
役者さん、皆様、それぞれのキャラにしっくりはまっていて魅力的だった。
森田さんのお父さん、すでに書いたけれど本当に不器用で、でもおずおずと千佳子さんにお酒を勧めて、受け入れて貰えるとすごく嬉しそうなのがわかる。
閉じ籠った賢一さんの返事が初めて聞けた時の、飛び付くように近寄っていく姿にも泣かされた。
大沼さんのお母さん、可愛いし強い。良ちゃんのことも大らかに受け止め、ノリの良さも素敵だった。
冒頭のお父さんとのやり取り、可笑しかった。それが後で千佳子さんと繰り返されるのも面白かった。
お父さんと子供達の軋みもしっかり見つめていたのだろうと思うけれど、解決するまでは器用ではなかったのだろうな。
糸原さんの千佳子さん、これもすでに書いたように良ちゃんの前ではとても素直で可愛い。
お母さんに「素直で不器用。」と言われていて、あの豪快なくらいの勢いは魅力的だと思う。
ただし、個人的にはちょっと引っかかるところもあった。
有紀乃さんがふいにコンビニに行ってしまった理由、達治さんが「俺かな。」と言ったせいもあるけれど、自分にも非があるとは最後まで認めなかった。橘家の家族についての有紀乃さんの話も途中で遮り、自分の話に持って行ってしまった。
時々、かなり無遠慮と言うか不用意な物言いをして、それを回収しないところは観ていて勝手に感覚を引っかかれていた。
それも含めて千佳子さんだと思うので、糸原さんは素敵でした、念のため(^^;
玄太さんの達治さんは、コロナ禍で収入を断たれて実家に戻ってきた小劇場の役者さんって、すごい設定…
高校時代?の伸び伸びした雰囲気、一転して行き詰ってきた頃?のゲームをやっている目付き、表情は恐ろしいくらいで、玄太さん凄いな、と感心してしまった。
謝罪すると決めてからの素直さも良かった。
近藤さんの幹雄さん、学会とか言っていたから何か研究職なのかな?
おずおずとしたところや、それなりにフォローしようとするところも確かにお父さんに似てた 笑
沙耶香さんに問い詰められて言葉がうまく出てこないところ(+ハッピーな報告するところのグダグダ感も)毎回すごく自然にああなので感心してしまった 笑
子供時代、賢一さんに抱えられてる姿も可愛かった 笑
菅野さんの有紀乃さん、賢一さんへの父親、兄、姉の対応に失望してしまい、自分でも動けなくなっていたのかなと思う。
家での硬い表情、裕ちゃんとの時に見せる柔らかな表情、ラスト、賢一さんに話しかける時のキラキラした笑顔、と書いていたらまた泣かされそうになった。
裕ちゃんに対してはちゃんと向き合ってあげてね、と思う。特に一輝さんの裕ちゃんの方には。
陽永さんの裕ちゃんは必要な時は彼からしっかり向かっていきそうだけど、一輝さんの裕ちゃんは見守りながらいざとなると自ら引いてしまいそうな気もするので。
サカモンさんの良ちゃんは、もうずるいレベルで真っすぐで素敵な人。
遺骨を前に「ネタをやって。」と言われて「ハードル高くないですか?」と言いつつ、きちんとやるあたり、ボロ泣きさせられた。
それを見てニコニコしているお父さんも目に入るし。
磯部さんの沙耶香さんも率直で素敵だった。「馬鹿だから。」と繰り返していたけれど、理屈じゃないその発想と行動力に幹雄さんは惹かれたのでは?と思うぞ。
大人な役の莉菜子さん、新鮮だった。
裕ちゃんの一輝さんと陽永さんについてはすでに書いてるので割愛 笑
お二人ともそれぞれに魅力的だった。
さて、べーさんの賢一さん。7年前から閉まった扉の向こうに閉じ籠っている。
ほとんど見えないのだけれど、その存在感、お父さんの言葉にだんだん反応していく雰囲気、さすがだと思った。
一度、お顔も見える席に座った時はさらに引き寄せられて泣かされた。
亡くなったお父さんが歩いていくあとから、ほぼ同じ歩き方で出てくる姿、そして回想シーンでの明るい笑顔、家族をまとめる包容力。
やがて動けなくなった背中。
お父さんも賢一さんも最後の台詞は「ありがとう。」なのだよね。
照明、効果音も含めて、演出にも引き寄せられた。
千佳子さんが良ちゃんに、幹雄さんが沙耶香さんに電話するシーン、同じようなやり取りなのに意味合いが全然異なる割り台詞のようになっていて印象的だった。
そうそう、このシーンの前、照明だけで時間の変化を示すところも素敵だった。
シーンが切り替わるところで、画面の砂嵐のような、巻き戻しのような音がするのも面白かった。
ラストの音も印象的。閉じこもっていた殻、shelterではなくてshellを打ち破ろうとする音なのかも、などと想像した。
さて、勝手に連想コーナー 笑
有紀乃さんがお母さんに「(賢一さんのことを)お母さんはあんなに心配していたのに、お父さんは何もしなかった。」というのを聞いた時にふと思い出したこと。
劇団チョコレートケーキの「60's エレジー」で、集団就職で林畳店に就職して以来、林ご夫妻に子供のように可愛がってもらっていた修三さんが、畳屋が立ち行かなくなり東京を離れる時に、社長の清さんに一緒に来るように強く誘われなかったことで突き放されたように感じた、と独白していた。
清さんは、頑張って働きながら大学にも入り、信念を持って学生運動にも傾倒している修三さんの未来と自主性を重んじて強くは誘わなかったのだけれど。
一方、奥さんの悦子さんは心配して何度も「一緒に来ない?」と誘っていた。
(結局、修三さんは自分の意志で東京に残ることを選ぶ。)
賢一さんに対して、ご両親もこの二人のような関わり方があったのではなかろうか、と勝手に想像してしまった。
そうすると、最初は会社内でのストレスでそうなったのかと思った賢一さんは、何か社会運動的なことをしていて挫折したのかも?と思ってしまったりした。その方が元気なころの賢一さんを考えると繋がり易い。
そして再度、頑張るということはまたそういうことに向かい合うのか?なんてことを考えて、あの音が閉塞した世界を打ち崩そうとする音にも聞こえてきた。
「世界と戦う準備はできてるか」でのべーさんの役も被ってきて、世界がクロスオーバーしてしまった…
(あらすじ)
両親と末っ子の有紀乃、そして7年前から部屋に閉じ籠ったままの賢一が暮らす橘家。
コロナ禍の中、5年間帰ってこなかった長女の千佳子が突然帰省すると連絡を寄越し、さらに次男の達治、三男の幹雄も同じ日に偶然戻ってきた。
コロナ影響で内定取り消しのニュースに「お前も気をつけろよ。」と言う幹雄、「東京は甘くないから。」と言う達治、そして就職祝いを渡しながら「あいつみたいになっちゃダメだよ。」という千佳子の言葉に有紀乃は家を飛び出していってしまう。
夜、水を飲みに来た千佳子は、一人で酒を飲んでいた父:雅彦に誘われ一緒に酒を飲みながら「結婚したい人がいる。」と打ち明けた。
次の朝、雅彦は38.4℃の熱を出し、救急搬送されてしまう。コロナ感染だった。全員が自宅待機になった。
幼馴染の裕太郎の部屋に転がり込んでいた有紀乃は帰宅することを拒否し、裕太郎に頼み込んで彼の部屋で待機することにした。
7年前、自殺を図った賢一に対する家族の対応を見て以来、有紀乃は父や兄姉に対して頑なになっていた。
PCR検査の結果は全員陰性。東京に戻ろうとした千佳子を訪ねて、千佳子の彼:良がやってくる。
お笑い芸人だという良は、いきなり土下座して千佳子が妊娠していることを告げ、「結婚させてください。」と頭を下げる。
皆が唖然としているところに、今度は幹雄の妻:沙耶香が防護服を着てやってくる。
さらに唖然しながら、母:清美は「にぎやかねぇ」と微笑む。
良のお笑いに清美がやたらに受けたり、PCR検査の結果が出るまで防護服を脱がないという沙耶香に戸惑いつつ、それなりに和やかに過ごす橘家。
有紀乃が裕太郎と気持ちを確かめ合った頃、清美からメールが来る。
裕太郎が読んでしばし絶句する。「お父さん、亡くなったって。」
過去の記憶。
千佳子の成人式、達治と幹雄の喧嘩、いつも笑顔で皆をまとめてきた賢一。
その賢一が自殺を図って迎えに行く母親。父もいたはずなのに、父は新聞の後ろ、姿は見えない。
対面も出来ずに火葬された雅彦の遺骨が届き、悲しむ千佳子の言葉に有紀乃が「今更、何を家族ぶっているの?」と突っかかったのがきっかけで、抱えていた問題が表出する。
千佳子が帰省しなくなったのは、5年前の祖母の葬儀の際に達治が香典3万円を盗んだのを目撃し、両親に相談したのに、父はやっていないという達治の言葉を取って、金を埋め合わせすることを選んだからだった。
幹雄は「沙耶香との離婚を告げに来た。」と言おうとしたが、その前に沙耶香が叫ぶ。「私達、ずっとセックスレスなんです!」
沙耶香は「私を見て!」と迫り、戸惑う幹雄を残して飛び出していく。
一人残され、やがて涙を払って歌いながら片づける清美。
雅彦の遺骨を前に、雅彦のウィスキーを飲みながらスクラップブックを眺めているところに千佳子がやってくる。
達治を追い込んだことを謝る千佳子に、清美は「貴女は素直なだけ。そして不器用。」と笑う。
千佳子はスクラップブックを読み出す。
そこへ幹雄もやってくる。清美に「貴方はお父さんに一番似ている。」と言われて考え込む幹雄。
達治がやってきてトイレに入っているところに、有紀乃も来てテーブルで待つ。
出てきた達治は両親と千佳子に謝り「今はこれだけしかないけど。」と2万8千円を差し出す。
スクラップブックを読み続けていた千佳子は、別なスクラップブックも出してきて読み続ける。
不審に思って読み出した幹雄が声を上げる。「これ、俺達のことだよね?」
賢一のことがあってから子供達との向き合い方を考え始めた雅彦は、子供に関する様々なことを切り抜き、メモを書いていた。
ちゃんと叱れなかった達治のこと、失望させた千佳子のこと、達治の舞台、幹雄の好きなアニメ、有紀乃の好きな韓国アーティスト…
賢一にもドア越しに声をかけるようにしていた。
しばらくは返事がなかった賢一から初めて声を聴けた時の嬉しさ。
会話が続くようになったのに自殺未遂の原因を聞いてしまい、また振り出しに戻ったこと。
でも、倒れる前日、千佳子と初めて一緒に酒を飲み、結婚の話を聞けて嬉しかったこと。さらに久しぶりに賢一の声が聞けたこと。
「お前も不器用だったんだな。」
「お父さんの子だからね。」
「ありがとう。」
突然、有紀乃がスクラップブックを投げ付ける。
「最悪だよ、私。死ぬなんて思わないじゃん。」
清美が有紀乃を抱きしめる。
兄、姉が声をかける。
「お父さん、やっと家族が揃ったね。」
9ヵ月後、清美が掃除機をかけ、お腹の大きな千佳子がテレビを見ているところに、買い出しに行っていた有紀乃、裕太郎、達治、良がにぎやかに話しながら帰ってくる。
そこへ幹雄夫妻もやってきて「赤ちゃんが出来ました!」
有紀乃が賢一に報告に行く。あれから賢一からの返事はないが、ずっと誰かが話しかけてきた。
皆が来たこと、そして自分の東京への就職が決まったことを告げて、有紀乃が「また後でね。」と行きかけた時、賢一の声がした。
「就職、おめでとう。コロナなんかに負けるな。」
「俺も頑張るから。」
「有紀乃、ありがとう。」
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