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三億円事件(ネタバレあり)

ウォーキング・スタッフ  プロデュース

シアター711


10/13昼(繰り下げ初日)、10/18夜、10/20昼(東京楽日)観劇


作:野木萌葱

演出:和田憲明


キャスト:

馬見塚(府中署  課長?):中西良太

高瀬(府中署  新聞記者と繋がりがあった拝島とペアを組んでいた):福本伸一(ラッパ屋)

華山(府中署   天本を指導):八代進一(花組芝居)

天本(元捜査一課、内心戻りたがっている):小林大介(花組芝居)

萩荘(本庁   管理官):おかやまはじめ(ラッパ屋)

古城(本庁   元機動隊):若杉宏二

白砂(本庁   公安外事課):加納幸和(花組芝居)

宮内(公安外事課  白砂の弟子):石田佳央



三億円事件の時効までの3ヶ月、犯人逮捕に格闘する8人の捜査員の話。

残り3ヶ月で規模を1/10以下に縮小され、所轄4人、本庁からの訳有りな4人の8人。各々の事情にぶつかり合いながらも、もう少しで犯人に手が届く、と思ったところで公安からの一人が消えて時効成立。


良かった。すごく良かった。

ウォーキング・スタッフ プロデュースとしての初演を観ているし、史実もあって結末はわかっているにも関わらず、今回の繰り下げ初日(台風で本来の初日が中止)に観た時、引き込まれ過ぎて鳥肌がたったようになり、終演後もしばらく足がガクガクしていた。


続投の方々も今回新たに参戦の方々もすごい一体感。


所轄組の気脈の通じ方、本庁組との確執、公安二人の異質さ、それでも共に過ごす内にそれなりに育まれる関係性、どれも見事で、他の舞台も色々拝見している役者さん達なのに(頭のどこかではそれもわかっているのだけれど)、その役の人にしか思えなくなり、真剣にハラハラして応援してしまっていた。


史実から犯人が捕まる訳はないのだけれど、それでも実行犯くらいは捕まるのでは?  捕まって欲しい、と毎回思ってしまった。


(真面目に、一度くらい犯人が捕まるパラレルワールドバージョンを観てみたい。)


セットは捜査本部の部屋、小道具もさりげなく色々細かくて、結婚指輪をしてる人、してない人、各々のメモやらノートやら、スーツが途中で変わったり、と、その人の背景をふと考えてしまったりする。

急須が途中で変わったり、灰皿の吸殻の具合とか、何かの拍子に目に留まるとその拘り方に驚かされた。


客席が対面式で、時には観客までも妙に関わっているように見えたりするのも興味深かった。


ここからは役者さん。


中西さんの馬見塚さん、いかにも昭和の叩き上げ刑事の長、課長だっけ?。

厳しいけれどざっくばらんで、ちゃんと部下を守ろうとする頼れる上司。眼鏡を外して目を揉む仕草がとても似合っていた。蜜柑農家の話など、苦労人なんだろうなぁと思ってしまった。


頼れる上司なのは、おかやまさんの萩荘さんも同様。

どちらかと言うとニコニコした役のイメージが強いのだけれど、冷静、理知的なキャリア管理官、有能さが溢れていて、ちと驚いたくらいかっこ良かった。


一方、異質な上司?先輩? 白砂さん、加納さん。

宮内さんのことは本気で可愛がって心配していると思うのだが、何を考えてどう動いていたのか私なんぞには計り知れず、一見もの柔らかな物腰の裏に抱えた闇の深さを感じさせる白砂さんだった。


その弟子の宮内さんな石田さん。不器用と言うか、融通が利かないと言うか、ちとアンドロイドっぽい反応の仕方、元々なのか追突事件のせいなのか、とにかく何かのネジがズレている感じがとてもしっくりして見えた。


それからすると、若杉さんの古城さんはあけっぴろげ。むしろ、自分の感情をある程度晒すことでバランスを取っているのかなとも思った。仕事中に何人か殺してる、等と恐ろしいことを言ってるんだけど(・・;)、好感が持てた。

最初、敵意をむき出しにしていた華山さんが最後の頃は席も譲るようになってたのもそういう感覚が所轄の方々に通じるものがあったのかもと思う。


で、その華山さんは八代さん。高瀬福本さんとのやり取りが初演の時以上にあまりにも自然過ぎて、若干クラクラした(^_^;)

一匹狼を気取っているようで実は高瀬さんのことも天本さんのこともとても気にかけていて、人情に厚い人なのだろうと思う。「弔い合戦だろ。」とか華山さんと高瀬さんのやり取りに一番泣かされた。

天本さんについて「あいつ、いつかこっちに座るのかなぁ。」(うろ覚え、不正確)と言ってるシーン、可愛がってる弟が自分を追い抜いていくのを寂しさを感じつつ喜んでいるお兄ちゃんみたいで、すみません、可愛かった 笑

ついでに、初日、登場された時の最初の感想は「黒髪の八代さんだ!」

すみません 笑


「(いびられても)あいつにならいいや。」と笑うもう一人のお兄ちゃん 笑、高瀬さんの福本さん。

もう、まともに良い人過ぎて危うくて、またクラクラした。あの真摯さはどこから来るんだ?と言うくらい真っ直ぐに張り詰めていて、こちらまで息苦しくなるくらいだった。


そして、一番若手だけど結婚指輪はしている天本さんは大介さん。どちらかと言うと上の立場の役を演じる姿を観ることが多い大介さんだが、ここでは少し生意気な後輩にちゃんと見えて、流石だと思った。妻帯者となると本庁に戻りたい気持ちに意味合いが増える気がして、結婚指輪に気づいた時から天本さんの印象がちと変わった(前回の伊達さんの時はどうだったのか気づかなかった・・・)


とにかく、皆様、素敵でした。

対面側から観られなかったのが心残り。

また観たい。戯曲が欲しい。

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