虚構の劇団「グローブ・ジャングル」初日を観た
我ながら相当八代さん好きだし、倉迫さんの創る舞台もとても好きだ。
昨夜はそれこそ相当に引っ張られて、お芝居バージョン初日の今晩を観られないことを残念に思っていた。
が、今晩4日、虚構の劇団「グローブ・ジャングル」初日を観て、そんな気持ちはきれいに吹き飛んだ。
我ながら見事なくらい。
今は思いっきり虚構の劇団モードである。
すごく良かった。
初演は、と、ここから先はネタバレあり。
初演も好きで特にラスト付近は胃の辺りが締め付けられるような気分になるのだが、ただ冒頭、初演ではオタクをブログでバカにしたのをさらされて祭りにされる、と言うところが、んー、なんて言うのかな、聞きかじりを想像して表現したみたいでなんか借り物、ああ、勘違いの日本通の部屋、と言うのを強調して映画などで出ることがあるが、あんな感じの苦笑してしまうぎこちなさがあって、その辺だけどうも受け付けにくかったのだが、今回のネットの悪意設定はかなりこなれて、さらに裏切り的なキツさも加えられていて、しっくりして見えた。
それ以降の展開は大体初演から引き寄せられた通りなのだが、何だか一層迫って感じられた。
引き込まれ過ぎた時になる足や腕がゾワゾワする感覚を覚えてゾクッとしてしまった。
何だろう?
沢村さんのオレノグラフィティさん、良かった。ただ、個人的には山崎さんのものがすごく好きであちらがやはり好き。他の役も皆様良かった。だけれど、やはり初演のキャストのものが好き、と実は思ったのだが、それでも全体としては今回本当に引き込まれて泣かされてしまった。
小沢さんの住田さんと小野川さんの七海ちゃんのラスト付近のシーンなんてもう…
まあ、彼らは初演のままのキャストなのだけれども。
個人的には「深呼吸する惑星」の筧さんと一生さんのシーンに匹敵する。
そして今回、自分でも意外なくらいに、先生、北野さんにも引き寄せられた。
初演の時はその唐変木ぶり、世間ばかり気にする器の小ささにイライラしたのだが、今回はそうやってはみ出すまい、生きる場所を確保しようと必死に頑張っているのが伝わってきた。しかも周りには自分には理解出来ない繋がりを持った人々がいて、彼を責めたりする。
なんか、ホントに切なくなった。
身に詰まされる気がした、のかもと今気づいた。
ひょっとしたら時代的にしっくりし過ぎてきたからなのかも知れないし、自分の状態のせいなのかも知れない。
長谷川さんは初演の時と同様にやはり寂しい。
見える長谷川さんに救われたような表情の住田さんと寂しい笑顔の長谷川さん。
こちらも切ないよねぇ。
七海ちゃんを呼びにきた沢村さんは、初演は何かを感じたような素振りをしたと思うのだが、今回はなかった。
吹っ切り方の違いかな。
チケット増やしてしまうな、これは。
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コメント
初演と比較して話せる方が周りにいなかったので、嬉しくてコメントです(^o^)
私も先生役の三上陽永さんが初演より断然よくなっていたのが最初の印象でした。
炎上になる理由も初演は自業自得とも思えたのですが今回のほうが作者の意図にあっている気がしました。
さらに千秋楽を見て気付いたのは、沢村が七海に刺される際に、自分の両手を七海の手に重ねて彼女の顔を見て頷き、自ら刺そうとしていたこと、七海が住田に半分泣きながらありがとうと言ったこと。ぐっときながらもあれっと思ったので、初演DVDを確認したところ、やはり前回はそこまでしてませんでした。
沢村については、強い山崎さんと、優しいオレノグラフィティさんの性格の違いとも感じられました。今回のオレノさんの沢村も捨てがたかったです。
渡辺さんの長谷川も、グローブジャングルに対する思いが初演よりも強く伝わり、必死で守る形相には心打たれました。
投稿: 初演を3回、再演を2回見て | 2014年4月14日 (月) 01時15分
>初演を3回、再演を2回見て さま
コメントありがとうございます。
私は幸い近くに初演と今回を話し合える観劇仲間がおりまして、楽日には話しながら駅まで向かいました 笑
そう、沢村さんが手を添えて青木さんに刺させようとするところは私もおおっと思いました。
確かにオレノさんの沢村さんは優しい感じがしました。山崎さんの沢村さんは個人的にはオレノさんの沢村さんよりも余裕がないような気がしてます。七海ちゃんを救う以上に自分自身を許せなくて消し去りたい気持ちが強いのではと思うのでした。
いや、虚構の劇団の時の山崎さんの表情って、見てはいけない個人のプライバシーを覗き見しているような気分にさせられるくらい危うさ、もろさが感じられて毎回ドキドキさせられていたのです(^^;
投稿: nazca | 2014年4月15日 (火) 00時26分